ムサラ山(ブルガリア語: Мусала; アラビア語、オスマントルコ語の「神の近く」や「祈りの場」の意に由来)は、バルカン半島の中で最も高い山である。標高は 2,925m(9,596ft)。ブルガリア南西部のリラ山脈の最高峰のムサラ山は、アルプス山脈とコーカサス山脈の間においても最も高い。高山に生息する鳥類のカベバシリをヨーロッパで最も簡単に見つけることができ、中斜面域の森に植生するマケドニアマツやブルガリアモミなど豊かな動植物の種を含むことで知られるリラ国立公園の内部にムサラ山は位置している。ムサラ山は、ブルガリアのすべての主要な山脈を見下ろすことができる。西方のリラ山脈はもちろんのこと、北西のヴィトシャ、北東のスレドナ・ゴラ山脈、ヴィトシャとスレドナ・ゴラの奥の北の地平線に沿ったバルカン山脈、南東のロドピ山脈、南のピリン山脈のほか、マケドニア国境のオソガボとセルビア国境のルイ山も含まれる。ムサラ山の年間平均気温 -3℃は、ブルガリアとバルカン半島全域で最も寒い場所である。温度は、毎年およそ8ヵ月の間、0℃未満にとどまる。このためムサラ山の年間降水量の約45%は雪で、積雪は半年以上の約200日間続く。ブルガリア三大主要河川のイスクル川、マリツァ川とメスタ川は、ムサラ山の付近に源流がある。ムサラ山付近の次に高い山は、リトルムサラ山(2902メートル)とIrechek山(2852メートル)である。