ウェストポート(Westport)はアイルランド・メイヨー州の町である。アイルランド語での表記はCathair na Martで、「肉牛の石の砦」を意味し、Cahernamart(カアーナマート)と英語化された。アイルランド西岸の大西洋の入海、クルーベイの南東端にある。町の設計図は、近くの大邸宅ウェストポートハウスのジョン・ブラウンが、彼の雇っていた労働者や小作人の住む場所として依頼した。彼は700人の住人がいた元のカアーナマートの村を排除し、ウェストポートハウスの庭への道をあけた。現在の町の中心部は、初め1780年にJ・ワイアットによってジョージ王朝風の建築様式で設計された。そのレイアウトは、13世紀にノルマン人によって持ち込まれた中世の都市デザインの原則に従う。独特の特徴は、川が町の構成の中に取り込まれていることである。キャロウベッグ川の両岸2ブロックにわたって、低い石造りの壁が川をまたぐ数本の橋を交えた魅力的な並木道「モール(Mall)」を形成している。レイアウトにはさらに数本の並木道が含まれ、間口の狭い商業ビルにつながっている。それらはアイルランドに典型的にみられる建物だが、その多くには他類なき洗練と魅力が残されている。警察署のように、近頃こうした地区の中に作られた建物の中には、都市構造の本来の連続性の保存がもっとうまくいかなかった例もある。現地では"the Reek"として知られている有名な巡礼山、クロー・パトリックはマリスクとレキャンベイの村の近くの町からおよそ10km西にあり、町の魅力的な背景となっている。頂上にある教会は、ウェストポートからは肉眼で辛うじて確認できる。ウェストポートは旅行先として人気があり、クオリティ・オブ・ライフにおいて高得点を収めている 。また、Irish Tidy Towns Competitionで2001年,2006年,2008年の3回最高賞を受賞しており、2012年にはアイリッシュ・タイムズ主催のアイルランド一住みよい場所コンテストでも優勝している。