堂形のシイノキ(どうがたのシイノキ)は、石川県金沢市広坂の石川県政記念しいのき迎賓館(旧石川県庁舎)正面玄関前に左右1対で生育する、国の天然記念物に指定された2本のスダジイの老樹である。スダジイはブナ科シイ属の常緑広葉樹のひとつで、同属の中では最も高緯度(北)まで分布する種であり、日本でシイ、シイノキ(椎、椎の木)という場合、通常はこのスダジイを指す。北陸地方におけるシイノキの代表的な老樹として、1943年(昭和18年)8月24日に国の天然記念物に指定された。堂形のシイノキは金沢市役所や金沢21世紀美術館といった施設が立ち並ぶ、金沢市の中心市街地に所在する国の天然記念物であり、石川県庁舎が2003年(平成15年)に金沢駅西北の鞍月地区へ移転するまでは、都道府県庁の敷地内にある日本唯一の国の天然記念物であった。堂形のシイノキの由来、経歴については諸説あるが、江戸時代に加賀藩で起きたお家騒動『加賀騒動』の中心人物として知られる大槻伝蔵の屋敷に生育していたものを、現在地へ移植したとも言い伝えられており、対になった2樹いずれも樹齢は300年から400年ほどと推定されている。1924年(大正13年)に建てられた(旧)石川県庁舎正面玄関前の両脇に生育する堂形のシイノキは、長年にわたり旧石川県庁舎を訪れる多くの人々に親しまれ続け、2010年(平成22年)に改築され再整備された際には、新たな施設として建物の名称が公募され、その結果「しいのき迎賓館」と命名されるなど、金沢市民や石川県民にとって、旧県庁舎と1対2樹のシイノキの双方は結びついて想起、連想させるものであり、国の天然記念物ということだけにとどまらず、旧石川県庁舎のシンボル的な存在でもある。